皆さんこんにちは!
【頭痛・肩こり専門】御茶ノ水 中村かえる整体院の中村です。
新型コロナウィルスの影響により働き方や生活がだいぶ変わった方も多いのではないでしょうか。テレワークや在宅勤務の方が増え、今後はこのような仕事環境や生活が普通になることでしょう。それによって、通勤時間や無駄な会議のカットをすることが出来るといった無駄を省いて生産性を上げる経済活動のメリットと引き換えに、ヒトの体にとっては副作用も生じると言われています。
それはつまり、人と接する機会(スキンシップ)が減り、運動不足、日光に当たらない生活が増えていくということによってさまざまな弊害が起こります。
もしこのような生活が常態化し慢性化すると私たち人間の身体にどのようなことが起こるでしょうか?
身体の中で起こることとしてはセロトニン神経という物質が分泌されにくくなります。
セロトニン神経とは、人間が日常生活を平穏に健康に保つ上で必要不可欠なものです。
例えば、セロトニン神経があることで心のバランスが取れ、安定した心理状態にしてくれます。その結果、集中力低下やイライラ、平常心の乱れといった心の乱れを改善させてくれる役目を果たしてくれます。
このセロトニン神経が減少することで、一説によるとうつや自殺、不眠症、不安神経症、パニック障害、自律神経失調症などで苦しむ方が今後、急増すると言われています。
【セロトニン神経の役割】
セロトニン神経は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整えます。ヒトは、寝ているときに副交感神経が働き、起きると交感神経が活発化します。そして、ストレスが過剰に加わった場合、さらに交感神経が活性化し、自律神経のバランスが乱れていきます。セロトニン神経は、交感神経の過剰な興奮を抑え、自律神経のバランスを整える役割を持っています。
また、「痛い」という身体からの情報は、神経を伝わって脳に到達します。セロトニン神経は、「痛い」と感じた際の脳への伝達をある程度調整(抑制)しており、わかりやすく言うと、一種の鎮痛剤の役目を果たします。
さらに、セロトニン神経は姿勢にも影響します。セロトニンの活性化が起こっている脳は、姿勢が良く保たれ、顔つきもどことなく締まっていることが多いです。それに対してセロトニンの活動が弱っていると、その方の顔はとろんとして背筋も姿勢も弱って猫背のようになっているように感じられます。
セロトニン神経がきちんと働くことで、これらの役割が正常に機能します。その結果、朝もきっちりと覚醒できます。さらに心のバランスがとれて自律神経も機能し、痛みの調整も取れて不定愁訴(原因がはっきりしないけれども体調が悪いと感じたり、体のあちこちが痛んだりすること)がなくなり、さらには姿勢が良くなります。これらはすべて、セロトニンによる効果なのです。
【セロトニンはどんな状況で、いつ分泌されるのか?】
セロトニンは、私たちが寝ているときには分泌されず、覚醒し始めると分泌されます(覚醒している最中はずっと分泌されています)。
そのように考えると、覚醒しているときの前述の機能は、セロトニンがきちんと分泌されていれば、起きているときはしっかりと機能しています。反対に、覚醒してもセロトニンがきちんと分泌されていない場合、頭がボーッとして目覚めが悪い、自律神経失調症や心の不安定、不定愁訴が出る、姿勢も悪いといった症状が出てきます。
【セロトニン神経を活性化させる3つの方法】
では、今からセロトニン神経を活性化する具体的な方法について解説します。
1:リズムの運動
リズムの運動とは、ダンスなどの特殊なリズム運動ではなく、歩行・呼吸・咀嚼など、日常生活レベルのリズム機能を行うことです。
具体的には、歩行のリズム運動とはウォーキング・ジョギング・自転車こぎ・スクワットなどが当てはまります。ウォーキングというエクササイズがセロトニン神経の分泌を促した結果、うつ症状を改善し、いい身体の状態を作ることが期待できます。
なお、ウォーキングするときのコツは「集中」してやることが大切です。例えば、街中や繁華街では目や耳から様々な刺激的情報が入ってくるため、十分にリズム運動に集中できません。
私のおすすめは、朝早く起きてまだ人通りの少ないときに、公園や水辺などの静かな場所を、最低5分、長くて30分、集中してウォーキングすることです。
また体力に自信のある方は筋トレもおすすめです。これでほとんどの方がセロトニン神経の活性化を起こすことができます。
セロトニン神経が活性化すると、まず頭が覚醒します。さらに、心のバランスも取れて、自然と物事に対する意欲が出てきます。自律神経の調節も良くなり、顔つきも明るく血色がよくなってきます。不定愁訴(原因のわからない体調不良全般)もなくなります。
2:太陽の光を浴びる
コロナの影響で外に出る機会も減り、昼間はリモートワーク、夜は夜中まで電灯をつけ、パソコンや携帯電話をいじりながら生活する方が急増しています。しかし、セロトニン神経の活性化という観点から見れば、この環境は非常によくないことといえます。
太陽の光を浴びない生活環境は、うつ病の発症頻度を増やすことが分かっています。また、太陽の光が網膜を刺激して直接セロトニン神経を活性化させることも判明しています。
「部屋には常に明かりがついているから、太陽の光をわざわざ浴びなくてもいいのではないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、電灯の光は太陽の光の明るさには到底及ばないため、部屋にこもって電灯がついていてもセロトニン神経の活性化にはならないのです。
太陽の光を浴びるときの浴び方としては、長時間浴び過ぎないことを意識すると良いでしょう。セロトニン神経は30分も日光浴すれば活性化が起こります。目の網膜から強い光が入ればセロトニン神経の活性化が促せるため、皮膚のUVカットも、長そでの着用・帽子の着用も問題ありません。日焼けが気になると思っていた方でも、問題なく太陽の光を浴びることが可能です。
3:スキンシップ
スキンシップをすることにより、男女差なくオキシトシンという物質(幸せホルモン)が分泌される行動だと最近の研究で明らかにされています。
オキシトシンはお母さんが分泌するホルモンとして知られてきた物質です。たとえば授乳のとき、お母さんの脳からオキシトシンが血液に分泌され、それがホルモンとして乳腺に働きかけ、母乳を出すというメカニズムになっています。
これが最近、オキシトシンは男も未婚女性も老人も、スキンシップによって男女年齢性別に関係なく分泌されることが判明したのです。
オキシトシンはストレス中枢を抑える働きを持ちます。つまり、何らかの理由で体がストレス反応を起こしているときに、オキシトシンがストレス中枢を和らげ、脳からストレスを消してくれるのです。
【具体的なスキンシップの方法とは?】
疲れたときのマッサージやエステは、オキシトシンを分泌するストレス解消のひとつの方法です。特にお子様をお持ちのご家庭では肌と肌との触れ合い、家族団らんがとても重要です。
また、最近最もオキシトシン関係で注目されているのが、心の触れ合いです。具体的には、気の置けない人とゆっくりおしゃべりをすることといわれます。これは話の内容によって分泌の量が左右されるというよりも、「誰かと会っておしゃべりをして、心と心を通わせた」という事実と行動が重要だと考えられています。最近オンライン飲み会なるものが流行っていますが、これもまたオキシトシンの分泌に一役買っていると言えます。
【セロトニン活性化のための運動効果はどれくらいつづくか?】
ウォーキングの場合、30分程度しかセロトニン活性の効果が持続しません。つまり、ウォーキングをやめれば、活性化された脳はせいぜい30分~1時間しかその状態を保っていられないのです。
しかし、上記の運動を継続(たとえば1日30分を3か月)すると、セロトニン神経の構造そのものが変わってきます。
たとえばボディビルダーが筋トレするとき、年単位でトレーニングを継続することと思います。そうした積み重ねによって、あのような立派な体になっていきます。これは彼らの筋肉の構造そのものが変わるためだといえます。
つまり、大切なのは構造が変わることなのです。いっときの反応だけではなく、脳の構造を変えてしまうことが大切になってきます。
繰り返しますが、セロトニン神経活性化を意識した生活を一日30分、3か月続けると、セロトニン神経はその構造自体が変わります。つまり、3か月後にはセロトニン神経の分泌の多い脳に変わってくれるのです。
セロトニン活性のエクササイズを継続することで、脳のセロトニン神経の構造に変化が生じ、結果としてセロトニン分泌の多い脳に変わります。その結果、前述した症状が改善されてくるのです。
しかし、これ以上の運動となると期待した効果とは逆になってしまいます。やり過ぎは禁物であり、その疲労からマイナス効果が発生してしまいます。
症状の改善と一緒でセロトニン神経を活性化させ脳に定着させるには、毎日の習慣が大切ということです。
もちろん、セロトニン神経を活性化する方法は今回紹介したものが全てではありません。他にも呼吸法や食生活、考え方を変えるだけで活性化することが出来ます。
それについてはまた後日、ご紹介しようと思います。
まずは今回お伝えした、3つの方法を実践してみて下さいね。
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