ストレートネックと頭痛の関係
まず、ストレートネックと頭痛・肩こりの関係について説明したいと思います。
実は、当院のクライアント様からよく出る言葉のキーワードの一つに、
「私、ストレートネックなんです...。」
「ストレートネックが頭痛の原因なんですかね?」
というものがあります。
何故、クライアント様からそのような難しい用語が普通に出てくるのかと言いますと、それはきっと、クライアント様が整形外科に行ってレントゲン写真を撮った時に先生に、「あ~、あなたはストレートネックですね~。これが頭痛・肩凝りの原因ですよ。」みたいなことを言われた経験からそうおっしゃっているんだと思いますが、個人的には臨床の経験上、「本当にそうだろうか?」と疑問に思っています。
そもそもストレートネックとはどんな状態を言うのでしょうか?
ストレートネックとは?
http://cool-aging.com/2016/08/12/straight_neck_pil...
ストレートネックとは下向きやうつむき姿勢を長くとり続けることで頸椎の正常な前弯カーブが失われた状態を言います。頸椎の弯曲が減少してまっすぐになった状態です。
ただこれはそうなった状態を指す言葉で病名ではありません。
ストレートネックと言われた方でも、無自覚・無症状の方もいらっしゃいますから、ストレートネックだから悪いと一概に言えるわけではありません。
私個人の見解では、ほとんど症状とは無関係だと思っています。
何故ならば、病院でストレートネックと言われた人が当院にもこれまでにたくさん来院していますが、必ずしも頸椎の矯正などしなくても症状が改善していくからです。
そして、何よりも実際に首を触れて、頚椎の前弯の動き(前にしなる動き)をチェックしてみるのですが、ストレートネックと言われた方のうち、8割位の方はきちんと頚椎の前弯の動きが取れています。その多くは骨の問題ではなく、首を支えている筋肉群の緊張のせいで首の骨が、ストレートネックのような状態になって首が固まっているせいなのです。
なので、首を支える筋肉群が緩めば、結果として、自然に頚椎の前弯の動きが取れるようになられる方がほとんどです。私個人としては、ストレートネックが原因で症状が出ていると言われていても、特に心配しなくてもよいと考えています。
ストレートネックの症状
一般的にストレートネックによる症状と言われているものには以下のような症状があります。
頭痛、肩こり、首こり、めまい、自律神経失調症、頸部痛、手や腕のしびれ、吐き気、寝違い…など。
いろいろありますが、たしかにこれらは頸部の筋群の緊張により引き起こされる症状でもあります。ですから、頸部の筋肉の緊張が緩めば症状も改善します。
当院ではストレートネックはこれらの症状の原因ではなく、日常生活の中で首に負担が積み重なった「結果」であると私は考えています。つまり結果として単にそうなっているという事に過ぎません。
ストレートネックへの整体
病院でストレートネックと診断を受けているクライアント様に対して、
当院ではストレートネックそのもの=【結果】に対してアプローチするのではなく、頸部に何故ストレスがかかってしまったのか?=【原因】を知り、その後に、首かかるストレスを解放するための整体=【原因を取り除くお手伝い】を行います。
頭痛が出ている方は特に首の後ろ側や横の筋肉、頭と首の境目の筋肉群が固く緊張しているので、それらの筋肉が緩むように調整していきます。その方法として直接首の筋肉をもみほぐすのではなく、身体を支えている土台となる足、骨盤、脊柱を調整し、その後に首や頭のバランスを整えていきます。
なぜなら、首の筋肉だけをもみほぐしたとしても、首の筋肉にかかるストレスが変わらなければすぐにまた症状が出てきてしまうからです。
逆に、骨盤や足に原因がある方の場合は、骨盤と足のバランスが整うだけで自然に首が楽になる方もたくさんいらっしゃいます。
もちろん、筋膜、骨格のバランスを調整すると同時に、日常生活での姿勢や動作を改善していくことも必要ですので随時お伝えしております。
ストレートネックの原因
よくストレートネックになる原因として言われているのは長時間のPC作業やスマホ、タブレット、ゲーム機器の操作です。現代社会の生活の中ではネットサーフィンやゲームアプリなど、長時間スマホを操作してしまうことが多くなっています。
集中しているうちにあっという間に時間も経ちます。気づいたら首や肩がガチガチに凝っていたという経験もあるのではないでしょうか。
現代社会ではスマホやタブレットは、仕事やコミュニケーションのツールとしても欠かせない存在となっていますから、使わないようにするというのは対策としてはちょっと無理がありますよね。現に私も、この文章を書いている時は結構な時間PC作業に没頭している状態です。もはや、PCがなければ仕事もままならないという方がほとんどなのではないでしょうか?
でも、長時間使用して首や肩に負担を掛けたならば、その分念入りにケアをしていけばよいのです。次項でご自宅で一人でできる簡単ストレッチを紹介いたします。
ストレートネックとセルフケア
①【首枕ストレッチ】
ストレートネックの改善の方法としては、ストレッチが一番有効です。バスタオルで首枕を作って、ストレッチ&リラックスさせることが、頚椎ヘルニアをはじめとして、肩こりにも有効です。ストレートネックの改善方法を紹介します。ぜひお試しください。
寝ながら改善する方法です。ふだん寝るときは、枕を頭にあてていますね
この様に、バスタオルを丸めてください。それを首の下に敷いて、
1:5分ほど何も考えずに上向きで寝てみましょう。
ちょっと痛いと思いますので、高さや太さなどを調節しながら、ちょうどいい塩梅をさがしてください。ポイントは、若干、後頭部が浮き上がるくらいの高さです。痛ければ最初は後頭部がついていてもかまいません。バスタオルの硬さはやや硬めの方がよいです。
ちょうどいい高さに調節できたら、今度は、
2:頭を左右ゆっくりゴロゴロと転がしてみてください。
”ダマされた”と思って、一ヶ月くらい気長にやってください。
ホットパックをお持ちの方はバスタオルの上に敷いて首を温めながら行うとなおリラックス効果も高まります。
②【ストレッチ体操】
当院では、ストレッチ体操を実際にクライアントさんにセルフケア指導しています。この方法は簡単にストレートネックが改善・緩和できる、効果抜群のストレッチ体操です。
ぜひ試してみてくださいね!
1で使用したロール状に丸めた枕を首の下に入れた状態で、
1.手を胸の上で組んで、ゆっくり10回時計回りに腕を回す⇒反対回りも行う。
2.お腹の上に組んだ手を移動して、ゆっくり10回時計回りに腕を回す⇒反対回りも。
3.顔の上に移動して、また10回ずつ。です。
そうしましたたら、手を組み替えてみましょう。手のひらを上にして、組むと、ストレッチの強度がより高まります。その後は、同じ事をします。
身体の内なる声を聴いてあげましょう
ストレートネックと聞くと、何か悪い病気のように捉えている方がいらっしゃいますが、当院の臨床経験上では病院でストレートネックと言われたとしてもほとんど気にしなくてもよいと思います。
現状では結果としてそうなっているに過ぎません。それよりも、あなたが普段、毎日のように首や肩に負担がかかっている姿勢を長く続けている事や、頭痛がするほどに身体を酷使している事について、考えなくてはいけないことがあります。
それだけ身体に負担を掛けて、身体が悲鳴を上げているということを謙虚に受け止めてください。症状が出ているということは、身体さんがあなたに気付いて欲しい!という大切なサインを送ってくれているのです。その大切な身体からのメッセージに対して、見て見ぬふりや無視をせずに、早く気づいてあげてください。
ストレートネックだから頭痛が起こるのではないのです。それではまるで他人事のような捉え方です。少し厳しい言い方を致しますが、あなたが自分で首が凝る様な身体の使い方をしてきた結果として頭痛が起きているのです。
まず、そこに気づく必要があります。気づいてあげて身体の内側の声にそっと耳を傾けてあげるだけでも違います。今まで身体にかけてきた負担を解消するように、筋肉の緊張を解放するように、身体の声に気づいてあげることが大切だと考えます。
ストレートネックでも何の症状もない人もいるし、ストレートネックではないけれどひどい首こりや頭痛に悩まされている人もいます。だからストレートネックかどうか、ということはたいした問題ではありません。
もっと大切なことは、あなた自身の身体の声を聴くこと。そして身体の治癒力を信頼することです。身体には内なる声と自然治癒力を備えています。
中村かえる整体院では身体の内側から発せられる声を聴き、あなたの身体がどうなりたいのか?を表現してあげることで症状の回復のお手伝いをしています。